自己修復材料の分類方法については、傷に対する治療を必要とするか否かで区分できる。このような時間的な分類の他に、化学反応を使うのか、物理的な特性を使うのかという違いによる分類もできる。

 コーティング関連の材料には、物理的な特性を使っているものがある。分子の構造や材料中の微構造の中に非常に大きく変形ができるような特徴を持っているもので、化学反応を起こさずに自己修復できるものが存在する。

 高分子材料の架橋に関して新しい考え方をもたらしたスライドリングマテリアルも、この区分の材料だと考えている。架橋とは、高分子の鎖の一部を化学結合などで結合して3次元のネットワーク構造を構成する手法だ。この架橋によって強い材料が得られる。

 通常の架橋高分子では、架橋点は高分子の鎖の特定の位置に固定される。ところが、スライドリングマテリアルでは架橋点を自由に動かせる。大きな塑性変形をさせ、へこみなどを自己修復する技術だ。

 化学反応を使って自己修復するものは3つに分類できる。1つは、材料自身に含まれる同種の材質によって反応を起こすものだ。自己修復反応を起こすための反応物を、あらかじめ材料中に全て仕込んでおく材料となる。

材料自身に含まれる同種の材料で反応させる材料の例。資料を基に日経 xTECHが作成
[画像のクリックで拡大表示]

 2つ目は異物や第3の成分などによって化学反応を引き起こすものだ。環境中に存在する成分を自己修復に使う材料がこれに当たる。もう1つは、微生物などを使って、反応物を周囲から選択的に収集して傷を修復するような材料だ。

第3の成分によって化学反応を起こさせる材料の例。資料を基に日経 xTECHが作成
[画像のクリックで拡大表示]

反応物を選択的に収集して修復する材料の例。資料を基に日経 xTECHが作成
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が4月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら