ヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」が2018年10月に法人向けプランの最初の更改時期を迎えた。2015年10月中にPepperを受け取った企業は今月末で契約期間満了となる。そこで日経 xTECHが独自に調査したところ、レンタル契約の更改を予定する企業は15%であることが分かった。Pepperの開発・販売を手がけるソフトバンクロボティクスは4年目以降をどう舵取りするのか。Pepper事業全般を統括するソフトバンクロボティクスヨーロッパの坂田大シニアエグゼクティブバイスプレジデントに聞いた。

(聞き手は染原 睦美=日経 xTECH/日経コンピュータ)

ソフトバンクロボティクスヨーロッパの坂田大シニアエグゼクティブバイスプレジデント
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契約更新を見送る企業が少なくない。この状況をどう捉えているか。

 「更新率が大変高く、満足している」と言えるレベルではない。契約期限を迎えるに当たって個々の企業とやりとりしているが、厳しいご意見を頂戴しているのは確かだ。

契約を更新しない企業が多い原因はどこにあると分析しているか。

 Pepperに寄せていただいていた期待との差、それを考慮した費用対効果の問題。大きく2点だと感じている。

 更新を見送った企業からは「使い道が無い」「思っていたものと違う」といったご意見をいただいている。「Pepperと会話できない」「人を認識したうえでの反応をしてくれない」と、ベースとなる機能への不満も大きい。

 また、導入当初は物珍しさを含めての「Pepper効果」を期待していただいていたが、他社でも導入が進むとそれだけ新規性が薄れる。物珍しさをウリに顧客を引きつけたいといった当初の要望に応えられなくなってきているのも事実だ。

 ヒト型であるためコミュニケーション機能への期待も当然大きかった。ヒト型をしていれば「人と同じようにコミュニケーションできる」という期待をどうしても持たれる。その点は、イヌ型ロボットやスマートスピーカー、タブレットとは違う。お客さまの潜在的な期待値に達せず、その点に関してはご意見やお叱りもいただいた。

料金面についてはどうか。

 厳しい意見をもらっている。様々なお客さまがいる中で、使いやすく、契約・更新しやすい料金や契約形態を引き続き検討したい。

 一方、(月額レンタル料の)5万5000円という料金に対する考えや感じ方は、お客さまが導入メリットを感じているかどうかで大きく変わる。使い道が無ければ、1万円でも1000円でも高いものだ。結局は、使い道やそれに応じた機能を提供できなくては駄目だ。

デベロッパー版の提供開始から4年、法人向けを発表してから3年が過ぎた。2014年や2015年に比べて、AI(人工知能)やセンサーに対する世間の注目度合いやそれによる技術的進歩は著しく進んだ。そうした期待や進化についていけなかった側面はあるか。

 3年前と比べてもAIやセンシングの技術は飛躍的に進歩した。ましてPepperを中心とした当社のロボット開発はリリースの1年以上前から着手している。結果的に4~5年前の技術をご提供している側面があった。

 技術進歩を取り入れるべく、センサーやカメラなどをマイナーバージョンアップしてきた。だが、この3~4年の進歩に利用者からの期待値も含めて着いていけていたかというと、ギャップが開いてしまったかもしれない。

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