第1回では当社の技術者力調査の結果を用いて、製造業全体としての技術者力の傾向とその背景を俯瞰(ふかん)しました。第2回となる今回は、2011年~18年のデータ(対象者:3万7000人)を業界の観点で分析して、技術者力の傾向を考察していきます。

 まず、6社以上の調査企業が含まれる9つの業界を以下に抽出しました(図1)。

図1 分析対象とした9つの業界
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 各業界の技術者力について、構成する各カテゴリーの評点の高低に着目していきます(図2、3)。評点の高低については、本調査対象企業の各カテゴリー平均に対して一定以上の差がある項目を抽出しています。サンプル業界の場合、リーダーシップは高いがチームワークは低いと解釈できます。

図2 各カテゴリーで見ている力
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図3 着目するカテゴリーの例
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人命を預かる業界はプロフェッショナルマインドが高い

 自動車、医療用機器業界の技術者力を見てみましょう(図4)。

図4 自動車、医療用機器業界の技術者力
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 両業界に共通する特徴として、人命に直結する複雑なシステム製品を開発して世に送り出していることが挙げられます。各国の法規制を満足しつつ、市場不具合を起こさない万全の品質を担保するために、広い視野を持ったり、専門性を探究し続けたりするプロフェッショナルマインドが高いのでしょう。

 また、自動車業界ではコミュニケーションも高い値を示しています。これは、関係部署などとの擦り合わせを密に行うことが日常茶飯事となっており、高いコミュニケーション力が求められているためと推察されます。実際、自動車業界の設計者の方からは、「最も重要な仕事は、関係者とコミュニケーションを取りながら調整し、合意すること」といった声をよく聞きます。

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