LINEやメルカリが自らブロックチェーンを開発して独自の経済圏を築こうとしている一方、企業によるブロックチェーン経済圏の構築を支援するITサービス企業も現れ始めた。

 「ブロックチェーンの世界で、かつての米グーグルや米アマゾン・ドット・コムと同じ現象が起きつつある」

 Gunosy創業者の福島良典氏は、2018年8月に同社CEO(最高経営責任者)を退いて合弁企業LayerXを設立し、社長に就任した理由をこう語る。

LayerXの福島良典社長
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 世界のブロックチェーン開発の動向を2017年頃から調査していた福島氏は、米仮想通貨取引所のコインベースや中国マイニング企業のビットメインといった成功企業に膨大なキャッシュフローが流れ、ブロックチェーンの研究開発を加速させている様を目の当たりにし、危機感を募らせたという。

 「両社とも取引所やマイニングなど既存の事業にとらわれず、スマートコントラクトやDEX(分散型取引所)などの研究を進めている。検索やEC(電子商取引)で得たキャッシュを研究開発に投じて急成長したグーグルやアマゾンの初期と同じだ。今がギリギリのタイミング。今始めないと永久に追いつけないと考えた」(福島社長)。

 LayerXは、ICOコンサルティングなどを手掛けるAnyPayとGunosyが50%ずつ出資して設立した。「Gunosyはテクノロジードリブンの企業。メディア事業を始めたのも機械学習の技術開発が起点だった。グループとして様々なテクノロジーに投資する考えで、ブロックチェーンにも張る」と福島社長は語る。

 LayerXが主に手掛けるのは、ブロックチェーン上で生成するデジタルトークンの設計支援やコード監査だ。企業からの依頼を受け、導入をサポートする。「例えば機械学習の分野では、データを保有する大手企業を技術面でサポートするPreferred NetworksやPKSHA Technologyなどが成長している。我々はブロックチェーンにおいて同様のポジションを目指す」(福島社長)。

 最初の取り組みとして同社は2018年8月30日、東アジア地域を対象にブロックチェーンを不動産に適用するプロジェクト「Cryptorealty」への参画を公表した。「不動産の利用権をトークン化し、コワーキングスペースの運営などに生かす。投資家も銀行も資金を貸してくれないようなスペースの活用を促進できる」(福島社長)。

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