木造とS造の混構造

 構造は、CLTによる木造と鉄骨造(S造)の混合構造だ。地上10階建て、高さ33.695m。CLTを採用した建物としては、国内で最も高い。設計・施工者は竹中工務店。

 7~10階は1時間耐火、1~6階は2時間耐火が求められた。木造部材については、CLTの床を4~10階で用い、竹中工務店が開発した「燃エンウッド」の柱を2~10階で使った。

CLTは4〜10階の床部材、燃エンウッドは2〜10階の柱部材として使用し、S造との混合構造とした(資料:竹中工務店)
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 CLT床については、厚さ210mmのCLTパネルの上に、振動音対策などのために厚さ80mmのトップコンクリートを、さらにその上に耐火被覆としてせっこう系のSLプラスターを厚さ60mmで覆った。また、CLTの下部には強化せっこうボード(厚さ15mm×3枚)、ケイ酸カルシウム版(厚さ15mm×1枚)を耐火被覆として設けた。全体の厚さは410mmだ。2時間の耐火構造部材として大臣認定を取得した。

 4~10階の床において、床全体の約4割をCLTとした。共用部や設備配管の絡む水回りの箇所など残りは鉄筋コンクリート(RC)造の床で構成している。CLT床パネルは2×3mであり、1フロアに24枚を設置している。

CLTをSLプラスター、トップコンクリート、強化せっこうボード、ケイ酸カルシウム版などで挟んで2時間耐火の大臣認定を取得した。耐火被覆などを合わせた厚さは410mm(資料:竹中工務店)
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CLT床は、共用部や設備配管の絡む住戸水回りなど以外の約4割に設置した。残りの床はRC造。CLT床は2×3mパネルを1フロア当たり24枚で構成する(資料:竹中工務店)
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CLT床の納まりや施工方法を検証するために、現場内にモックアップをつくった。CLTの上面に振動対策と剛性補完のために厚さ80mmのコンクリートを現場打ちし、さらにその上をSLプラスターで被覆する。鉄骨梁の上ではCLT端部に設けたスリット内の鉄筋と現場打ちコンクリートで一体化する(写真:村島 正彦)
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 耐火集成材の燃エンウッドは、外側から「燃えしろ層」「燃え止まり層」からなる耐火被覆層と「荷重支持部」で構成する。燃えしろ層はスギなどの木材で、火災時は炭化して熱を通しにくい。燃え止まり層はせっこうで熱を吸収し、内側への火の侵入、炭化を防ぐ。荷重支持部はスギ・カラマツなどの木材による構造体となっている。性能評価試験に合格し、2時間耐火の大臣認定を取得している。

 CLT床、燃エンウッドの2時間耐火については、いずれもこのプロジェクトが初めての採用となる。

燃エンウッドは、外側から「燃えしろ層」からなる耐火被覆層と「燃え止まり層」「荷重支持部」で構成し、中央の荷重支持部が2時間加熱後にも構造部材としての役割を維持する(資料:竹中工務店)
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