大きい林業、小さい林業

 ここで、「大きい林業」と「小さい林業」を定義してみましょう。標準化された規格材というものがあります。経済的で大量消費に向いており、どんどん売れます。住宅用流通製材や集成材、LVL、CLTなどが該当します。これを「大きい林業」と呼んでみます。

 一方、地域ならではの独自性やストーリー性を重視した木材もあります。職人技が求められ、貴重な一品生産となります。広葉樹、大径材、銘木などが該当します。これを「小さい林業」と呼んでみます。

 山の資源を考えると、「大きい林業」と「小さい林業」を分けて考える必要があると思います。大量生産に向いた木材製品と、少量生産で付加価値をつけた木材製品があるはずです。また、それぞれに見合った建築もあるはずです。

 「大きい林業」は「稼ぐ林業」、「小さい林業」は「文化、楽しむ林業」と言ってもいいかもしれません。

「大きい林業」と「小さい林業」の概念(資料:腰原 幹雄)
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稼ぐための「大きい林業」と、こだわりや付加価値を持つ「小さい林業」の双方とも大切だということですね。

 木は建築材料としては、製材と、木材を加工したエンジニアードウッドがあります。エンジニアードウッドには、集成材やCLT、LVL、合板などがあります。また、構造的に考えれば、線材と面材という分け方もできます。

 それぞれをどう組み合わせて建築をつくるかが重要です。いろいろな建築があり得ます。

森林資源と木質材料の関係(資料:腰原 幹雄)
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 JIS A3301を用いた木造校舎の建築など、住宅用流通製材を使って中大規模木造をつくろうという動きがあります。これらの木造は、製材を使った非住宅であり、低層・大規模、あるいは大屋根になります。

 都市部では、4階建て以上の中層建築をつくることが多い。4階以上になると製材は使いにくいので、集成材やCLTを使った建築となります。大ざっぱに言うと、3階までの低層で使われる製材のイメージは「軽量鉄骨」です。中層で使われる集成材やCLTのイメージは「重量鉄骨」です。