[事故の概要]
阪神高速道路淀川左岸線の開削トンネルの工事現場で2011年9月、土留めの崩壊事故が発生した。開削トンネルを施工するためにSMW(ソイルセメント柱列壁)の土留めを構築し、掘削の底面まで掘り終えたところだった。事故はその日の作業を終えた後に発生し、人的被害はなかった。

[現場概要]
■名称=正蓮寺川西工区開削トンネル工事 ■施工場所=大阪市此花区島屋1丁目地先~伝法1丁目地先 ■発注者=阪神高速道路会社 ■設計・施工者=清水建設・奥村組JV ■工期=2008年4月~13年2月 ■工費=189億3990万円

上流側から見た事故発生直後の現場。中央に見えるのが崩壊した土留め。この崩壊の影響で左側の仮水路の鋼矢板も崩れ、水路の水が現場に流れ込んだ(写真:阪神高速道路会社)
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下流側から見た事故現場。切り梁が折れ曲がり、土留めは崩れ、底面まで掘削を終えていた開削部は水没してしまった(写真:阪神高速道路会社)
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 土留めが崩壊したのは、大阪市此花区の淀川左岸線正蓮寺川西工区開削トンネル工事の現場だ。河川だった空間に往復4車線のトンネルを造り、その脇に下水と河川の暗きょを新設する。工区延長は1940m。清水建設・奥村組JVが施工していた。

 2011年9月29日午後8時37分に、長さ約40mにわたってSMW(ソイルセメント柱列壁)の土留めが崩れた。

 「夜7時のテレビのニュースを見ていたときに大きな音がしたと話す住民もいる。徐々にではなく短時間で崩壊したようだ」。阪神高速道路会社建設事業本部大阪建設部設計課で当時課長を務めていた技術部技術開発課の鈴木威課長はこう話す。

 当日は午後6時ごろまでに作業を終えており、人的被害はなかった。

 土留めは芯材(H形鋼)の長さが18.5mで、切り梁が3段。深さ約30mまで遮水壁が施工してあった。事故当時は掘削底面の11mまで掘り終えたところで、翌日にならしコンクリートを打つ予定だった。

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