前回(第1回)は、自動車および製品にかかわるセキュリティーについて、[1]自動車を取り巻くセキュリティー脅威の変化と多様化する対策、[2]製品のセキュリティー機能にかかわる客観的なお墨付き(認証)の重要性、[3]自動車業界におけるセキュリティー認証の取り組み、に着目して取り上げた。

 今回は、上記の[3]の「自動車業界におけるセキュリティー認証の取組み」を主導している「WP29」(自動車基準調和世界フォーラム)の組織構成やミッション、活動内容などについて説明する。

WP29の活動内容とは

 WP29とは、欧州経済委員会(UN/ECE)の下に存在するWorking Partyの1つで、安全で環境性能の高い自動車を普及させるという観点から、自動車の安全・環境基準の調和、ならびに自動車の型式認証の国際的な相互認証の推進を目的としている。29という数字は、複数存在するWorking Partyの29番目を意味する。

 では、なぜ相互認証が必要なのか?もし相互認証が存在せず、各国が独自の認証制度を定めると、海外で自動車を販売する際に販売したい国ごとに認証を取得する必要があり、認証に要する期間や費用が膨大になるという問題が生じる。しかし、相互認証の制度があれば、認証を取得した車両は、協定を結んでいる国ならば、どの国でも再度認証を得ることなく販売できるというメリットがある。

 現在、WP29ではブレーキや方向指示器など、従来の自動車の機能について車両の型式(車種およびモデルなどによって分類される)ごとに認証を行う制度を策定している。日本でもWP29が策定した型式認証制度を採用しており、上記の項目に該当する検査を車両の型式ごとに行っている。

 WP29の組織構成は、図1のように車両の各機能に特化したサブグループに分けられており、各サブグループが機能ごとに認証の規制について策定や見直しを行っている。

図1:WP29の組織構成
(出所:デロイトトーマツリスクサービス)
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