近年、サイバー攻撃が猛威を振るい、被害が深刻化している。巧妙な標的型攻撃による大規模情報漏えい、DoS攻撃*1によるシステムダウンに伴う事業停滞、ランサムウエア*2感染からの身代金被害、さらには企業内部者による不正な情報持出しなど、もはやセキュリティーに起因するダメージは、経営上、避けて通れない重要課題として位置付けられている。これらの事象は大規模な損害賠償訴訟、レピュテーション(信用)低下による株価低迷、営業秘密漏えいに伴う競争力低下など、企業の存在を脅かすほどの影響をもたらすためである。

*1 DoS攻撃
サイトやサーバーに対して大量のデータを送りつけ、トラフィックの増大によってサービスをダウンさせるサイバー攻撃の1種。

*2 ランサムウエア
感染したパソコンやサーバーの画面をロックしたりファイルを暗号化したりして使用不能にした上で「身代金」を要求するプログラム。

 このような中、ITシステムを取り巻く環境は大きく変貌してきている。その根底にあるキーワードは「IoT(Internet of Things)」だ。これまでITシステムは企業内ネットワークやデータセンターで統括的に管理される傾向にあった。しかし、現在は、我々が手に取る製品や生活で利用するサービスにITシステムが搭載・活用され、それら製品・サービスがインターネットを通じて密に連携し合うようになり、情報やデータが我々の足元に豊富に蓄積される状況となっている。

IoT化の進展で変わる自動車の位置付け

 IoTはさまざまな分野に適用されており、医療現場や生活機器、自動車など、我々の生活を取り巻くシーンは革新的な変貌を遂げつつある。具体的な例を見てみよう。

【医療現場】
・地域間での診療情報等のデータ連携(モバイル端末)
・ペースメーカーの情報に基づくリモートメンテナンス
・AR(Augmented Reality)手術

【生活機器】
・外出先からの家電制御(TV、エアコンなど)
・故障モニタリングによる白物家電の保守
・消耗品の自動注文(洗剤を自動注文する洗濯機など)

【ケース:自動車】
・テレマティクス保険
・生体情報の分析に伴う運転者健康監視
・ライドシェア/ロボタクシー
・FOTA*3による点検・メンテナンス・修理

*3  FOTA(Firmware On-The-Air)
スマートフォンなどのファームウエアを無線通信で配布する技術。

 これらはほんの一部であり、今後もさまざまな製品やサービスにおいてインターネットを通じて高度な機能を提供する状況が想定される。

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