ダイキン工業は社内に「大学」をつくり、AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を使いこなせる人材育成を始めた。井上礼之会長はあらゆる現場に、AIやIoTが分かりビジネスや外部との架け橋になる「ブリッジパーソン」を置くと語る。(聞き手は川又 英紀=日経 xTECH)


日本の製造業がこの先、グローバル競争で勝ち残っていくには何が必要でしょうか。

 ハードウエアとソフトウエアの融合は、避けて通れないでしょう。私は、AIやIoTといった新しい技術とビジネス、データと事業、テクノロジーと経営、事業部門間の橋渡しなど、2つのものをつなぐ人材を「ブリッジパーソン」と呼んでいます。こうしたブリッジパーソンには今後、ハードとソフトの融合を推進する先導役になってもらいたいと思っています。

ダイキン工業の井上礼之会長
(撮影:山本 尚侍)
[画像のクリックで拡大表示]

ブリッジパーソンという肩書の人が社内にいるのですか。

 いや、そういうわけではありません。ブリッジパーソンなんて役職をつくったら、他の社員はみんな警戒するでしょうからね。ですが、得意・不得意はあるにせよ、これからは2つのものをブリッジできる人材が、会社のそこかしこにいるようにしなければいけないと真剣に考えています。

AI人材にこそ「人間性」を求める

 矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、2018年4月から社内でAIやIoTを学ぶための「ダイキン情報技術大学」に通い始めた新人たちに、私は「ヒューマニティー」を求めています。AIやIoTを理解できる人材が増えて、社内の共通言語のようになったときこそ、彼ら彼女らにはブリッジパーソンになってもらいたいのです。

ダイキン情報技術大学の授業風景
[画像のクリックで拡大表示]

 それには「人間性」が必要なんです。平たく言えば、コミュニケーション能力。あるいは、人のぬくもりですね。実はダイキン情報技術大学のカリキュラムには、人間性を増すような授業も取り入れているんですよ。AIやIoTを学ぶ大学なのにね。

 当社はずっと「人を基軸にする経営」と言い続けてきました。結局のところ、人間性が足りなければ、商売なんてできませんよ。ブリッジとは要するに、人と人とを結び付けることですから。

 AIやIoTが普及して、職場でどんどん機械化が進むと、むしろ社員は人間性に飢えてくるのではないかとさえ思っています。だから、技術と人間性のバランスには今から非常に気を使っています。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は登録月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら