ダイキン工業が大阪府堺市に新設した工場「堺製作所 臨海工場 新1号工場」。技術的な見どころの1つは、クラウドサービスを利用した生産データの収集・統合インフラを導入したことだ。業務用エアコン(ビル用マルチエアコン)1台1台の情報を、製品を載せるパレットに内蔵したIDカードに記録し、作業指示や加工指示などのデータを読み書きできるようにしている。

 同時に、工場内にあるさまざまな設備を制御する装置である「PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)」に集まる各種データも集めている。PLCの制御データや生産ログ、設備の稼働/停止の状況を示すデータなどは、まさに製造ビッグデータと呼べる規模だ。

 これらの大量なデータをセンシング技術を利用したIoT(インターネット・オブ・シングズ)で管理する。その基盤となるのが「工場IoTプラットフォーム」である。工場IoTプラットフォームを介し、生産ラインのすぐ脇に設置した「工場IoTプロジェクトセンター」にデータを集約する(図1)。

図1 臨海工場の生産ラインのすぐ脇に設置した「工場IoTプロジェクトセンター」
[画像のクリックで拡大表示]

 こうして新工場内の「見える化」の環境を生産ラインの稼働開始と同時に整えた。新工場の「コックピット」と呼ぶにふさわしい道具立てが工場IoTプロジェクトセンターには出そろった。これでデータに基づく正しい判断を現場ですぐにできるようにしている。この部屋に来れば、広い工場内をデータで一気に見渡せる。ダイキン工業は基盤と位置づけた工場IoTプラットフォームを、全世界の生産拠点に導入していく計画を立てている。

 同社が考えるものづくりの現場におけるIoTの役割は大きく3つある。[1]生産進捗の監視(生産管理)、[2]不良を出さない(品質革新)、そして[3]止まらない工場(予防保全)、である(図2)。

図2 ダイキン工業における、ものづくり領域でのIoT活用の考え方
(出所:ダイキン工業)
[画像のクリックで拡大表示]

生産データや現場の映像をとにかく集める

 これら3つの目標を達成するには、まずは生産データをかき集めなければならない。その基盤が工場IoTプラットフォームであり、収集・統合したデータを見える化したり分析したりすることで、これまで人の目では気づかなかった改善のブレークスルーとなるポイントを探っていく。まさにビッグデータの山から、生産性や品質の向上につながる金脈を「発掘」しようというわけだ。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら