NTTコミュニケーションズのヒューマンリソース部人事給与制度部門 担当課長でダイバーシティ推進室長を務める菱山卓氏によると、育児休職期間で最も多いのは1年未満だという。「保育園に入れる場合、ゼロ歳児が一番入りやすい。保育園に預けられるくらいに成長した段階で、復帰するケースが多い」(菱山氏)。

NTTコミュニケーションズ ヒューマンリソース部 人事給与制度部門 担当課長で、ダイバーシティ推進室長を務める菱山卓氏
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 もちろん、社員よっては1年以上の休暇を申請する場合も多い。田中氏の場合は、米国に転勤するパートナーに同行する事情もあって最も長い3年間を取得している。ただし、最初から3年間を予定していたのではなく、状況に応じで延長した結果3年間となった。菱山氏によると、期間を延長するケースは半数ぐらいという。

 当時田中氏は、ネットワークサービス部に所属して法人顧客向け販売企画を立案して営業部に提供する業務を担当していた。3年間という長期休職を取るにあたっての現場からの抵抗や反対の声について、田中氏は「特になかった」という。

 この育児休職制度では休職して復帰するとき、元の職場に戻ることが前提となっているため、原則として休職者の代わりの社員を補充できない。それでも現場に抵抗がないのは、長期にわたって制度を運用してきて、多数の社員が利用した実績があるためだ。「社内に、育児で長期休暇を取得するのは普通のこと」という意識が根付いているからだ」と菱山氏は説明する。

休職者を支えるサポート体制

 田中氏は、3年間の育児休職の後復職したが、その後夫の中国転勤に同行するため、いったん退職した。そして日本に戻ってくるタイミングで、再雇用制度の適用を申請している。

 同社は、育児休職制度とともに介護休職制度、病気休職制度を用意しており、「NTTベネフィットパッケージ」と呼んでいる。別に、田中氏が利用した再雇用制度があり、社員が退職するときに再び採用を希望する旨を伝えることで、申請する権利が得られる。なお、再雇用の対象となるのは、退職から最長で6年間までだ。

 再雇用制度で復職した場合、給与などの待遇は退職前と同じだが、配属は別の部署になるようにしている。退職中のブランクを埋めるための研修セミナーを用意しているだけでなく、休職中も対象者向けの情報を社内報Webページで発信している。

NTTコミュニケーションズの汐留オフィス
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