床下を換気経路にしている全館空調の住宅でも、窓を開けて過ごす建て主は少なくない。日本大学の井口雅登助教が調査したところ、窓開けによって基礎断熱の床下がカビの成長できる空間に変わるリスクが確認できた。

 カビの調査を実施したのは、東京都内にあるYUCACOシステムを採用した住宅だ。YUCACOシステムとは、壁掛けエアコンで冷暖房した居室の空気を送風ファンで床下に送り、家全体に循環させる全館空調の仕組みだ。窓を開けると、居室に入った外気が床下に送風される〔図1、写真1〕。

〔図1、写真1〕冷暖房した空気を床下に
カビ調査を行った住宅で採用しているYUCACOシステムの仕組み(資料:井口 雅登)
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送風ファンと送風ダクトが設置されている床下の様子。基礎断熱にはコンクリートの立ち上がりとスラブ面の外側に厚さ50mmのXPSを使用した(写真:井口 雅登)
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 調査は休眠状態のカビ胞子を閉じ込めた試験片を床下の各所に一定期間設置し、菌糸の伸長を測定する方法で行われた〔写真2〕。設置期間は6月21日からの21日間とし、うち約16日間は窓を開けた。

〔写真2〕試験片に入れたカビが成長
カビセンサーと呼ばれる試験片を床下に設置している様子。試験片の中には休眠状態のコウジカビとカワキコウジカビ、ススカビの胞子が入っている(写真:環境生物学研究所)
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試験片に入れたカビの21日後の様子。浴室の床下に置いた試験片のカワキコウジカビは、菌糸が平均75μm伸びていた(写真:環境生物学研究所)
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