メインフレームやオフコン、クラウドやERPの利用実態やいかに。ITシステムを巡る実態を独自に調査したのが2014年。本記事は、日経コンピュータ2014年10月16日号の特集「情報システムのリアル」の内容を抜粋したもの。当時と比べて、2018年はどうか。比較検証に活用いただきたい。

※社名や製品・サービス名、人物の肩書、コメントなどは2014年執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

基幹系アプリの利用、「15年以上」が最多

 ユーザー企業は一般的に、基幹系アプリケーションをどれくらいの期間、使い続けているのだろうか。ユーザー企業を対象に、「勤務先で現在使っている基幹系システムのアプリケーションは、何年間使い続けているか」と聞いた。

「勤務先で、現在使っている基幹系システムのアプリケーションは、何年間使い続けていますか」に対する回答
4分の1が、基幹系アプリを15年以上利用
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 その結果、最も多かったのが「15年以上」(26%)だった。つまり「4社に1社は、20世紀に稼働させた基幹系アプリケーションを使い続けている」ということだ。そのほかは、ほぼ横並び。「3~5年」「5~7年」「7~10年」「10~15年」と回答したのは、それぞれ15%程度。「3年未満」は9%である。

 基幹系システムについては、ハードウエアを定期的に増強・更新することはあっても、アプリケーションは“温存”することが多いようである。販売管理、生産管理などの中核業務のプロセスはさほど大きな変更があるわけではないことや、安定稼働を最優先するなどの理由が考えられる。

 基幹系アプリケーションを長く使い続ける傾向は、大企業ほど強い。従業員5000人以上の大手ユーザー企業で「15年以上」と回答した割合は39%で、全体平均(26%)を13ポイント上回る。

 ユーザー企業にとって、基幹系システムの再構築は一大プロジェクト。要員やコストなど様々な面で大きな負担となるだけに、「15年以上は長すぎる。迅速に刷新すべきである」とは軽々しく言えない。

 ただし、老朽化した基幹系システムを使い続けることのリスクはある。例えば、オムニチャネル化など、新しいビジネス戦略を推進する場合に、古い基幹系アプリケーションが足かせになる可能性は否定できない。

 15年以上塩漬けにしていると、基幹系の業務アプリケーションに精通した人材を育成することは難しい。基幹系アプリケーションに関する知識や、基幹系システムの再構築という大型プロジェクトをマネジメントするスキルを継承できなくても問題はないのだろうか。検討すべき時かもしれない。

 ユーザー企業では、長く使い続けている基幹系アプリケーションがそれなりに多いことが分かった。この事実は、ITベンダーにとっては“朗報”かもしれない。大型受注を獲得できる機会はまだ多く残されている、と捉えることができるからだ。

「勤務先で、稼働後4年以上経過しているシステムの割合はどのくらいですか」に対する回答
新しいシステムは少数
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 基幹系アプリケーションに限らず、ユーザー企業は情報システムをどれくらい使い続けるのだろうか。それを探るため、「稼働後4年以上経過しているシステムの割合はどのくらいか」と聞いた。

 「0割(全くなし)」から「10割」まで1割刻みで回答してもらったところ、「5割」「8割」が約18%で最も多く、それに「7割」が17%で続いた。これらの回答を平均すると、ユーザー企業1社当たり、「稼働後4年以上経過しているシステムの割合は67%ある」という結果になった。つまり、「ユーザー企業が動かしているシステムの3分の2は稼働後4年以上たっている」と言い換えられる。