「この1年間で重大な障害あり」は3割強

 システム構築プロジェクトが成功したり、完成したシステムが正常に動いていたりしてもめったに話題にはならない。システムの仕事に“注目”が集まるのは、残念ながら、システム障害が発生したときぐらい。これまで幾度か、金融機関や航空会社のシステムトラブルが発生し、世間を騒がせた。

 システム障害は、顧客や取引先などの社外に影響を与える重大なものばかりではない。世間に明るみにならなくとも、社内の業務に支障を与えるシステム障害もある。

 「利用部門は、(情報システムが)トラブルなく動いて当たり前だと思っている。障害が発生しようものなら、クレームが集中する」(大手ユーザー企業のシステム部門主任)。こうした事態を回避するため、システム担当者は日々、細心の注意を払ってシステムを運用している。とにもかくにもIT関係者にとって、システム障害はシステム構築プロジェクトの失敗と同様、頭痛の種だ。

 本調査では、ユーザー企業のシステム部門を対象に、システム障害事情について聞いた。その一つが、「この1年間で、顧客や取引先などの社外に影響を与えた重大なシステム障害は何回あったか」である。

「この1年間で、顧客や取引先などの社外に影響を与えた重大なシステム障害は何回ありましたか」に対する回答
「1万人以上」の5割弱で重大な障害
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 全体平均では、「1回もない」が67%と最も多かった。「重大なシステム障害が1回以上あった」と答えたユーザー企業の比率は、3割強を占める。細かく見ると、「1回」が12%、「2~3回」が15%、「4~5回」が3%、「6回以上」が3%だ。

 ユーザー企業の規模が大きくなるほど、重大なシステム障害が発生する確率は高まる。従業員数1万人以上の場合、重大な障害が1回以上あったとする回答比率が49%で、全体平均の33%に比べ16ポイント高い。「6回以上」は8%で、他と比べて突出して多い。大まかにいうと、「従業員1万人以上のユーザー企業の2社に1社が、1年に1度は社外に影響を与える重大なシステム障害を引き起こしている」といえそうだ。

 もう一つの質問は、「この1年間で、社内業務に影響を与えたシステム障害は何回あったか」である。全体平均で回答者比率が多かったのは、「1回もない」(31%)と「2~3回」(30%)で、ほぼ同じである。

「この1年間で、社内業務に影響を与えたシステム障害は何回ありましたか」に対する回答
大企業の3割超が「10回以上」も
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 ここでも注目すべきは、1万人以上のユーザー企業の回答である。1万人以上の会社だけを見ると、「10回以上」との回答比率が32%で、その多さが目立つ。単純計算で、ほぼ毎月、社内システムに何かしらの障害が発生し、従業員の業務に影響を与えていることになる。企業規模が大きくなるほど、運用しているシステムの種類や利用者数が多くなるだけに、トラブルに見舞われる確率は高まる、ということを如実に表している。

 「1000~4999人」と「5000~9999人」のユーザー企業については、「2~3回」と回答した比率がいずれも3割以上で最も多い。

 重大な障害と同様、企業規模が大きくなるほど、社内業務に支障を与えるシステム障害に見舞われる確率は高まる。社内外に影響を与えるシステム障害が「1回もない」と回答したユーザー企業が多いのは、従業員が「999人以下」に多いことが分かった。

ITベンダーの7割が障害に対応

「あなたはこの1年間で何回、システム障害に対応しましたか」に対する回答
4人に3人が、障害対応を経験
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 ユーザー企業のシステム部門だけでなく、ITベンダーに対してもシステム障害について聞いた。「あなたはこの1年間で何回、システム障害に対応しましたか」と質問したところ、「1回もない」は26%だった。

 7割を超える担当者が年に1度は、システム障害対応を経験している。その回数別に見ると、「1回」が9%、「2~3回」が30%、「4~5回」が12%、「6~7回」が4%、「8~9回」は2%、「10回以上」は17%だった。