2018年における建設業での死亡災害の発生件数は、309件と全業種で最も多い。そのうち136件と4割以上を占めるのが、墜落・転落事故だ。安全帯を正しく装着せず、高所作業中に足場から墜落する事例が後を絶たない。

 ベテランの作業員ほど油断して、安全帯を着用しなかったり着用してもフックを手すりなどに掛けなかったりすることがあるという。正しい装着方法を知らない外国人労働者も増えてきた。朝礼時に現場監督や作業員同士が装着を確認するものの、1日中監視して指差し確認の「ヨシ!」をし続けるわけにはいかない。

 現場の安全管理を助けるため、IoT(モノのインターネット)に強いベンチャー企業のエコモット(札幌市)が開発したのが「ハーネス画像解析AIカメラ」だ。現場でフルハーネス型安全帯の適切な着用を確認したい箇所に、AI(人工知能)を搭載したカメラを設置。映った作業員の装着を“電子の目”と“電子の頭脳”を使ってリアルタイムで判定する。

ハーネス画像解析AIカメラのイメージ。作業員の正面・背面・側面を認識し、ハーネスを正しく着用しているかどうかを分析する(写真:エコモット)
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 例えば、現場への入り口にカメラを設置しておけば、安全帯を正しく着用していない作業員に警報を鳴らして入場を拒否できる。安全帯と同時に顔を認識することも可能だ。装着が不適切な作業員の写真を動画から切り出して、現場監督などが持つスマートフォンやパソコンなどに送信する。

 19年2月に厚生労働省が改正した労働安全衛生法が、同技術の開発の追い風になっている。5m以上の高さで作業する際に、フルハーネス型安全帯の使用が義務付けられた。

フルハーネス型安全帯の基本構造(資料:厚生労働省)
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 エコモット営業本部コンストラクションソリューション部の澤田幸寛部長は「カメラでの監視によって人員を割かずに、安全帯の装着を高精度でチェックできる」と話す。

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