大量の書類作成や安全・服装のチェック、資材の手配――。建設現場で監督員や作業員がこなさなければいけない本業以外の仕事は多岐にわたる。定型業務やちょっとした雑用でも、積み重なれば生産性を大幅に低下させる。ただしアナログだった建設現場に、近年はデジタルの波が押し寄せている。電子化によって働き方改革を加速する事例が増えてきた。

 朝や昼にコンビニエンスストアで、弁当を買う建設作業員が列を成している光景を見たことがある人は少なくないはずだ。「待ち時間が長くなる」「弁当が売り切れる」などの不満のもとになりやすい。

 一方、作業員にとっても、大勢の作業員で店を占拠する申し訳なさがある。そもそも近くにコンビニがない現場では、買いに行くのも一苦労だ。

 こうした「小さな不便」は、建設現場に数多く存在する。例えば、工具や資材の購入。今ではインターネットによる注文が当たり前となったが、現場での受け取りや決済の手続きなど、面倒なことが多い。そこで作業員の手を煩わせないようにと、飛島建設がWill Smart(東京・中央)と共同で開発したのが、現場の利便性を上げるデジタルサイネージ(電子看板)のシステム「e-Stand」だ。EC(電子商取引)などの多様なサービスを提供する。

e-Standに対応したタッチパネル付きのデバイス。現場での買い物や安全教育、入退場管理など多様な機能を持つ(写真:日経コンストラクション)
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e-Standのシステムの概要(資料:飛島建設)
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 現場に置いたタッチパネル付きのサイネージを使って、弁当や資材をその場で購入できる。多言語での安全教育や入退場などの機能も持つ。端末に表示されるQRコードを読み取るだけで、スマートフォンやタブレットでもシステムを使える。

 「20年ほど現場を見続けるなかで、建設会社の社員だけでなく、職人も働きやすい環境をつくりたいと感じていた」と、飛島建設企画本部新事業統括部新事業開発Tの科部元浩課長は話す。

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