慢性的な人手不足の中、現地へ極力足を運ばずに橋を管理できないか――。橋梁(きょうりょう)の管理者が思い描く未来の1つだ。実現するには、様々な壁を乗り越えなければならない。センサー自体の精度やコストはもちろん重要だが、現地から事務所などへその情報を安価に送信する技術の確立も欠かせない。そこで、LPWA(省電力広域無線通信)の出番である。

 mtes Neural Networks(エムテスニューラルネットワークス、東京都品川区)は、橋に取り付けたセンサーで傾きや振動数などを監視して、遠方へLPWAを使って通信する「構造物ヘルスモニタリングシステム」を開発した。既に大手鉄道会社では、高架橋の地震観測に採用。また、河川内の橋脚では通常時の傾きの計測に試行し始めている。

地震計設置のイメージ。2018年3月から大手鉄道会社の高架橋や橋梁など6カ所で、mtes Neural Networks の開発した地震計を設置。LPWAを使った通信方式で情報を送信している(写真:mtes Neural Networks)
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 これまで構造物の微小変化を計測するには、精度の高い「サーボ式加速度センサー」が必要だったが、コストが高いために限られた構造物や部位にしか設置できなかった。

 そこでmtesは、多くのデジタル機器が組み込まれた超小型デバイスの「MEMSセンサー」に着目。サーボ式センサーと比べた測定精度の低さを補うために、2つのMEMSセンサーを近接配置した安価なセンサーを開発した。

 「センサーは0.1ミリメートルの変位まで測れる精度だ」。mtes Neural Networksの管理本部事業管理部の中島純次部長はこう話す。

MEMSセンサーを2つ並べたセンサーを採用(写真:mtes Neural Networks)
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