国土交通省の旗振りで、建設業界の生産性向上につながる3次元データの活用が進む。一方で、3次元データを変換すれば作成できるVR(仮想現実)はどうか。建設会社での3次元データの普及と比例してVRの導入例も増えるのかと思いきや、実はそうではない。

 建設業界でVRを普及させることを目指すDVERSE(米デラウェア州)の沼倉正吾社長は「現在、ビジネスの現場向けに出ている3次元データからVR映像への変換ソフトは、使い方が複雑で覚えることが多いので使いこなせない場合がある」と一因を挙げる。3次元CADはデータ量が大きく、変換に時間や手間がかかってしまうことも原因だ。

DVERSEの沼倉正吾社長(写真:日経コンストラクション)
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 DVERSEが開発した「SYMMETRY alpha(シンメトリー・アルファ)」は、3次元の設計データを誰でも手間なく簡単にVR用に変換できるソフトだ。建設業向けに、構造物の設計データを仮想空間で確認する無料ソフトウエアとして発表された。設計データを読み込んでからVR映像に変換するまでの時間は、ほんの数秒から数十秒だ。

 3次元CADデータを専門会社に委託してVR用に変換するサービスもあるものの、費用がかかるうえ、やり取りに数日を要するのでVR映像がすぐに手元に届かない。その点、開発したソフトを使えば、個人のパソコンのデスクトップ上で変換可能だ。変換したデータは、市場に出ているほとんどのヘッドマウントディスプレー(HMD)で見られる。

ヘッドマウントディスプレーの装着時の画面。3次元データを選択して読み込むと、数秒でVR映像に変換される(資料:DVERSE)
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 沼倉社長は、「全ての設計者のパソコンに当たり前に入っているソフトにしたい」と意気込む。さらに設計だけでなく、土木の測量や点検でもソフトを活用できるように開発を進めている。

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