建設業界で急速に広がりつつあるVR(仮想現実)の活用。現場で起こり得る事故を体験できる安全教育の用途に注目が集まりがちだが、設計図の確認や施工計画の検討などで使われるケースも増えてきた。新規連載コラム「みら☆どぼ ~未来を照らす土木・建築テクノロジー~ 」の第1弾では、VRに焦点を当て、活用事例を紹介する。

 7月中旬、国内最大の外径を誇るシールド機の組み立てが進むたて坑の現場を訪れた。清水建設・熊谷組・東急建設・竹中土木・鴻池組JVが施工する東京外かく環状道路(外環道)の本線トンネル(南行)大泉南工事だ。最盛期で1日当たり300人の技能者が働くこの現場では、作業の流れや重機の動きを確認する安全教育にVRを採用している。

大泉ジャンクション付近を北から見た様子。写真を横切る高架は関越自動車道。黄色い門形クレーンの下が清水建設JVのシールド機が発進するたて坑。たて坑でシールド機を組み立てる(写真:東京外環プロジェクト)
[画像のクリックで拡大表示]

外環道の本線トンネル(南行)大泉南工事のたて坑でシールド機のカッター部分を組み立てる様子。シールド機の外径は16.1mと日本最大の大きさ(写真:東京外環プロジェクト)
[画像のクリックで拡大表示]

たて坑でシールド機の駆動部を組み立てる様子。たて坑の幅はシールド機と同じくらいしかない(写真:東京外環プロジェクト)
[画像のクリックで拡大表示]

 外径16.1mのシールド機は、関越自動車道大泉ジャンクションから南側へ発進。地下40m以下の大深度を進み、井の頭通りまでの約7km を掘削する。

 たて坑を上から見て、まず驚いたのが敷地の狭さだ。たて坑はもう1つの本線トンネル(北行)大泉工事の現場と共有して使う。ただでさえ狭いたて坑を2つに割いているために、清水建設JVのたて坑の横幅は最大で17.5mしかない。ここに外径約16mのシールド機を組み立てるだけでも至難の業だが、もちろんそれだけで済まない。

 資材や機材を現場に仮置きしておかなければならないし、搬入・搬出用の大型トラックが、作業中の技能者の近くを横切ることも頻繁にある。作業に集中するあまり周囲に気を取られれば、大きな事故につながりかねない。

本線トンネル(南行)大泉工事のたて坑。すぐ左に東京外かく環状道路が通る。たて坑には機材を置くほか、大型のトラックが通るスペースも確保しなければならない。右側に見える巨大な仮設の奥には、同じような空間が広がり、そこでは大成建設・安藤ハザマ・五洋建設・飛島建設・大豊建設JVが「本線トンネル(北行)大泉南工事」のシールド機を組み立てる(写真:東京外環プロジェクト)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら