山岳トンネル工事の発破工法を用いた掘削では、騒音と振動への対策が課題になりやすい。

 「山奥での工事」というイメージを持たれがちだが、意外と近隣に集落がある現場は多い。切り羽(掘削面)に火薬装填用の穴をドリルジャンボで開ける削孔(さっこう)時や、発破時に出る大きな音は、坑口に防音扉を設置していても完全に消すのは難しく、漏れた音が周辺の集落において問題になることがある。

 さらに、坑口から遠く離れた民家から苦情が寄せられることも少なくない。削孔や発破の際に聞こえる大きな音は、周波数がおよそ100ヘルツ以上で、発生源から離れるほど減衰する。一方で、発破では減衰せずに遠くまで伝わりやすい低周波音も発生する。低周波音は一般に、周波数が100ヘルツ以下の音波と定義され、音は聞こえにくいが民家の窓や扉を揺らす。

 発破掘削に伴う騒音・振動に対して法的な規制値はなく、現場では状況に応じた対策が必要だ。防音扉にコンクリートを充填して重くしたり、複数の扉を設置したりするケースが多いものの、工期と費用がかさみ、効果には限界がある。そこで、幅広い周波数の音を低コストで抑えられるシステムを開発したのがフジタだ。

トンネルの坑内に、発破掘削で出る音を低減する「チューブセルサイレンサー」を設置した様子(写真:フジタ)
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 坑内に設置して発破掘削の音を低減する「チューブセルサイレンサー」と、防音扉やチューブセルサイレンサーで抑えられなかった低周波音などを坑外で低減する「アクティブターゲットサイレンサー」を組み合わせる。

 2つの技術を組み合わせたシステムをトンネルの施工現場で検証した結果、周波数が20ヘルツ以上の音は、79.1デシベルから69.1デシベルになった。10デシベル低減することで、聞こえる音の大きさは半分程度になる。さらに、振動を引き起こす低周波音も5.8デシベル小さくなった。

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