天空から広範囲にわたって地表の状況を捉える宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち2号(ALOS-2)」。迅速かつ正確であることが求められる災害直後の対応をはじめとする防災分野に、衛星データを活用する取り組みが活発化してきた。西日本豪雨や北海道胆振東部地震を例に、最新の活用状況をJAXA衛星利用運用センターの宮崎景太氏に聞いた。

地球観測衛星「だいち2号」が取得するデータの活用を推進する宇宙航空研究開発機構・衛星利用運用センターの宮崎景太主幹研究開発員(写真:日経コンストラクション)
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地球観測衛星「だいち2号」を防災に活用するための実証実験を2014年から進めています。現在の活用状況は。

 これまで我々は、政府や自治体と連携し、土砂災害や水害、火山噴火、地震など、災害の種別ごとに立ち上げた検討会で「だいち2号」の活用方法を議論してきました。実証実験を始めた当初は、「衛星で何ができるのか」「どういった情報がどのようなタイミングで得られるのか」といった基礎的な理解が進んでおらず、思うように実用につながりませんでした。

 しかし、ここ1~2年の災害で活用実績が増え、事例集をまとめられるまでになっています。だいち2号に搭載してある合成開口レーダー(SAR)は、衛星から照射したレーダーの反射波によって地表面の状況を把握するため、夜間や悪天候時でも観測できます。こうした特徴が認識されてきたと感じています。

地球観測衛星「だいち2号」のCGイメージ。合成開口レーダーを搭載し、夜間や悪天候時でも地上を観測できる特徴を持つ(資料: 宇宙航空研究開発機構)
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 幾つかの機関では、衛星データを日常的に業務で活用するようになりました。例えば、気象庁と国土地理院は、活火山の地殻変動の監視にSARの観測データを使っています。地表面の隆起や沈下からマグマの動きを把握し、噴火警戒レベルの判断材料とするためです。この他、国土地理院が地震直後の地殻変動・地形変化の把握にも活用しています。

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