建機の自動化に欠かせない高精度な位置情報や、都市の変化を面的に捉える衛星写真。宇宙から手に入る地球のビッグデータは、建設現場や都市計画の在り方を大幅に変える可能性を秘める。近年、民間企業が相次いで宇宙ビジネスに参入したことで、多種多様なデータの活用策や解析サービスが登場し始めた。建設業は衛星データからどのような恩恵を得られるのか。先進事例から探っていこう。

 2018年11月1日、「みちびき(準天頂衛星システム)」の本格運用が始まり、GPS(全地球測位システム)の補強によって誤差数センチメートルの高精度測位が可能になった。車の自動運転や農機の自動化など、様々な場面での利用が期待される。

2018年11月1日に開催された「みちびき」本格運用の記念式典(写真:首相官邸)
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 新たな測位システムの登場は、「測量が基本」と言われる土木分野も無関係ではない。いち早くその実証に乗り出したのが、海洋土木を中心に手掛ける東亜建設工業だ。同社はみちびきの本格運用に先駆け、茨城県沖の海上を航行する小型船の位置情報をみちびきの補正信号を使って取得し、精度を検証した。

みちびきから発信される補正信号の受信機を積んだ小型船(写真:東亜建設工業)
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検証は茨城県の常陸那珂港区周辺で実施。5km四方の航行ルート上で、頻度や船速を測線ごとに変えて位置情報を取得した。みちびきの測位結果は、地殻変動に伴う電子基準点のずれを補正したうえで、従来手法による測位結果と比較した(資料:東亜建設工業)
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 海洋土木の現場では、海中の様子を目視で確認できず、施工状況を正確に把握しにくい。そのため、構造物を下ろす位置や作業船の配置を決めるのに高精度の位置情報が必要となる。例えば、防波堤の据え付けや海中の地盤改良などでは、作業船の位置を数センチメートル単位で調整する必要がある。

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