鮫島正洋
内田・鮫島法律事務所 代表パートナー 弁護士・弁理士

 いよいよ今年も政府委員会のシーズンになりました。そのようなものにシーズンがあるということは、多くの読者にとって想像の範囲外でしょう。4月から始まる1年を1期とする年度ごとに予算を配分している日本国政府では、4〜6月は委員会コンセプトの策定時期に、7〜8月は業者選定時期(いわゆる競争入札)にしているため、委員会の開催は早くとも8月の盆明けからとなります。委員会を開催することで民意を取り込んで政策を決定していくというのが日本国政府の長年の行政スタイルです。要は、年中議論をしているのではなく、1年のうちの半分強の期間で集中的に議論するという慣例なのです。

 政府委員会の委員の謝金は1時間1万円程度(交通費等は別)と決して多くはないため、経済的メリットが大きいとは言えません。それでも、多くの有識者が委員就任を受諾するのは、政府委員に任命されるということのブランド力(プロフィールにも記載できる)や、政策の動向を垣間見ることができるというマーケティング的なアドバンテージ、そして、何よりも自身の専門性や経験をシェアすることにより、直接的に国に貢献できるという公益感覚にあるものと思われます。

 私も足掛け15年以上、主に中小企業向けの知財戦略関連の委員を拝命してきました。中小企業に対する知財コンサルティングのあり方についてのコンセプト設計という第一ステージから始まり、そのコンセプト設計に基づいて地域ごとに知財コンサルティング人材を育成する事業に関与しました。さらに、全国47都道府県に知財総合支援窓口を設置することによってこれらの知見と人材をシステム化し、その枠組みを使って、地場の中小企業の知財支援に携わってきました。その後、知財と金融のリンク(知財金融)が注目され、最近では、中小企業・大企業連携を本質とするオープンイノベーションが注目を浴びています。