個人やチームがビデオゲーム、もしくはスマートフォンのゲームで対戦して勝敗を競うeスポーツ。その最大の市場である米国でここ2年ほど目立つのが、リアルなスポーツ界からの参入である。

 最初は米プロ野球MLBで活躍した元ニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲス氏や米プロバスケットボールNBAの元スター選手であるシャキール・オニール氏などによるeスポーツチーム管理会社への出資、さらにNBAのフィラデルフィア・76ersのeスポーツチーム買収など個別での参入が多かった。それが最近では、スポーツリーグ全体で買収や出資に乗り出す動きが活発化している。中でも大きな注目を集めているのが、NBAが始めた「NBA 2Kリーグ」である。

NBAが主催するeスポーツのリーグ「NBA 2Kリーグ」のロゴ
(図:NBA)
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 もちろん、背景にはeスポーツ市場の急成長がある。オランダのゲーム関連調査会社ニューズー(Newzoo)の「グローバル・eスポーツ・マーケット・レポート2018年版」によると、2018年に世界のeスポーツ市場における収益は前年比38.2%増の9億600万ドルに達すると予測されている。そのうち、北米が3億4500万ドルを占めており、2位中国の1億6400万ドルの2倍以上の規模を誇る。北米市場の収益は前年比44%増である。2014年以降続くこの急成長を支えているのが、メディアやブランドなど様々な企業・団体のeスポーツ市場への参入である。

6対6で対戦

 NBA 2Kリーグの詳細を見ていこう。同リーグは、NBAと米テイクツー・インタラクティブ・ソフトウェアが共同で発足した。同社はNBAを題材とするビデオゲーム「NBA 2K」シリーズを開発・販売しており、NBA 2Kリーグではこのゲームを使う。

 今年5月にはNBA全30チーム中17チームが参加し、それぞれのチームが管轄するeスポーツチームによって最初のシーズンが行われ、ニューヨーク・ニックス傘下のニックス・ゲーミングが初代王者となった。来シーズンからはロサンゼルス・レイカーズなどさらに4チームが加わることが発表されている。このリーグ運営には、成功に向けた様々な工夫が込められている。

 通常、スポーツのビデオゲームでは1人のゲーマーが1チーム全体を操作することが多い。それに対し、NBA 2Kリーグではシューティングガードやセンター、パワーフォワードなどバスケットボールの5つのポジションをそれぞれ1人のゲーマーが担当する。チーム戦が取られているのだ。各チームはさらに任意のポジションのゲーマー1人を加え、6人体制となっている。

 チーム所属のゲーマーの選出だが、合計102人のゲーマーから各チームが指名選出するドラフトを実施する。現地時間の4月4日に行われた第1回ドラフトでは、リアルのNBAドラフトで使用される抽選器が使用される凝りようだった。また、スポーツのゲームでは実際の選手に合わせて登場する選手の能力に差をつけることが普通だが、NBA 2Kリーグに登場する選手キャラクターの能力は、全チームでポジション毎に統一されている。競技性をにらんだ形だ。

 シーズンは17週に渡って行われ、まず2018年5月1~7日まで開幕トーナメント大会を実施。以降2回のトーナメント大会を挟みつつ、15週に渡ってリーグ戦が展開された。各チームはリーグ戦14試合とトーナメント戦を戦い、レギュラーシーズン終了後成績上位7チームとトーナメントの成績優秀チーム1チームが参加するトーナメント方式のプレーオフで優勝チームが決定された。

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