台風21号による高潮で冠水した関西国際空港から9月7日午前11時50分、被災後の第1便となるピーチ・アビエーションの新潟行きが飛び立った。使ったのは、関空の2期島にある第2ターミナルビルとB滑走路だ。
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被災前の関空の全景。手前が1期島、奥が2期島。写真下端の連絡橋にタンカーが衝突した(写真:関西エアポート)
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ピーチ・アビエーションが利用する第2ターミナルビル。2016年9月撮影(写真:日経コンストラクション)
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 「未曽有の災害が発生し、当初は再開まで長期間を要すると想定していたが、空港閉鎖後3日目という早い段階で再開できた。関係者に感謝を申し上げる」。コンセッション方式で関空を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)の山谷佳之社長は6日、このようなコメントを発表した。

 大阪湾の5km沖合を埋め立てて建設した関空。埋め立てによって地盤の粘土層に含まれる水が時間をかけてゆっくりと排水されるため、1994年に供用が始まった1期島は現在までに3.4mほど沈下した。

 防潮壁のかさ上げ工事などを進めてきたものの、4日に直撃した台風21号の影響で「想定を上回る高潮が襲ってきた」(関西エアポート)。その結果、1期島にあるA滑走路や駐機場のほぼ全域が、最大40~50cmの深さで冠水した。

 一方、2期島が供用開始されたのは07年。埋め立て完了から日が浅いため、1期島ほど沈下が進んでおらず、1期島と比べて地盤が2mほど高い。この差によって、2期島は高潮による冠水の被害を免れた。

 第1便以外の出発便として、7日午後にピーチ・アビエーションの長崎行きや成田行きなど5便、日本航空の羽田行き1便も運航。また、ピーチ・アビエーションの11便と日本航空の1便の計12便が、同日午後に関空へ到着している。

 ただし、台風21号によって漂流したタンカーが関西国際空港連絡橋に衝突した影響で、関空へのアクセスは依然として限られている。衝突による橋桁の損傷で、連絡橋にある下り線の道路部と鉄道部が通れなくなっているからだ。
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 連絡橋の道路部を管理する西日本高速道路会社は、中央分離帯を一部取り外すなどして、7日午前5時すぎから上り線だけを使って対面通行できるようにした。

 関空の利用者は、リムジンバスか近隣の鉄道駅を発着する臨時シャトルバス、または関空と神戸空港とを結ぶ高速船を使う。鉄道やバスを利用するのが著しく困難な人が乗る場合に限って、タクシーも連絡橋を通れる。マイカーやレンタカーは通れない。

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