近畿地方を北上した台風21号による高潮で、関西国際空港の1期島にある滑走路や駐機場のほぼ全域が冠水した。浸水深は最大で40~50cmに達する。

台風21号による高潮で1期島の滑走路などが広範囲に冠水した関空。手前が1期島、右奥に見えるのが2期島。9月4日午後6時撮影(写真:毎日新聞社/アフロ)
[画像のクリックで拡大表示]
2017年12月時点における1期島の地盤高さ。潮位表基準面(CDL)からの高さを示す(資料:関西エアポート)
[画像のクリックで拡大表示]

 9月4日午後2時すぎから雨と風が激しくなり、滑走路周辺の護岸を乗り越えたとみられる海水が流入。貨物コンテナを運ぶトラクターやトラックなど、空港内で活躍する車両が多数水没した。駐機中の航空機も車輪が水に漬かるなどしたもようだ。

 1期島にある第1ターミナルビルでは、地下階の従業員用エリアに水が流れ込み、一部で停電も発生した。鉄道駅を挟んで同ターミナルビルの反対側にある商業施設「エアロプラザ」では、2階の休憩スペースのガラスが破損して、利用者1人が腕に軽傷を負った。

 関空では台風が近づいた4日正午から、1期島と2期島にそれぞれ1本ずつある滑走路と、空港と対岸を結ぶ連絡橋をともに閉鎖していた。さらに午後1時45分ごろ、関空に航空燃料を運び終えたタンカーが強風で流され、連絡橋に衝突する事故が発生。約3000人の利用者は、5日朝に関空と神戸空港とを結ぶ高速船などの運行が再開されるまで、“孤島”となった空港に閉じ込められた。
(関連記事:関空連絡橋にタンカー衝突、箱桁がずれて通行不能

 台風が近づいて気圧が低くなると、海水が吸い上げられる。気象庁によると、気圧が1ヘクトパスカル下がると、海面が約1cm上昇するという。大阪湾の満潮時刻と重なったことや、台風による南からの強い風で海水が吹き寄せられたことも、被害の拡大につながったとみられる。

 5日正午の時点で、1期島では備え付けのポンプによる懸命の排水作業が続いているものの、滑走路の再開時期は不明となっている。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら