リユース(中古)市場が盛り上がりを見せている。総務省が2018年4月に発表した「平成29年度電子商取引に関する市場調査」によると、顕在化しているリユース市場は2兆1000億円にも上るようだ。リユースが広まるきっかけとして、フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)の普及は大きな要因である。しかし、それだけではない。かつて話題になった「もったいない」というキーワードに代表されるように、「断捨離」「賢い消費」といった、より環境にやさしく、より無駄を少なくしようとする価値観の高まりが背景にある。こうした人々の“価値観向上”と歩みをそろえる形で、スマホ所有率の高まりと、フリマアプリやネットオークションなどのリユースにおけるネット環境の整備が進み、リユース市場は拡大路線に踏み出した。さらなる成長に期待がかかっている。

 利用の拡大に伴い、リユース市場にはさまざまな商品が流れ込んでくるようになった。その動向を見ると、例えば、ある商品やカテゴリーが実際に消費者に受け入れられたかどうかが分かる。販売当初にマスコミをにぎわした話題の新商品が1年たつと大量にリユース市場に出回り、そこでの販売価格が下がっていくというケースがある。世間ではまだ人気商品のイメージがあったとしても、実際には長く使われることなく(つまりは定着することなく)売られてしまっている可能性が高い。その逆に、リユース市場になかなか出回らない商品については、自宅で重宝されて(つまりは定着して)いるから売られていないという分析が成り立つ。

 筆者が所属するマーケットエンタープライズは、多様な商品カテゴリーを扱う総合リユース企業である。リユース品の買取・販売Webサイト「ReRe」や買取専門のWebサイト「高く売れるドットコム」などを運営し、後者では「家電」「楽器」「美容」など30の商品カテゴリーを網羅している(2018年8月時点)。それらを通じて、毎月3万件規模のリユース品の買取・販売案件の依頼を受けている。こうして蓄積したリユース品の膨大な取引データを分析することで、一般の(新品)市場からは見えてこない、より深い消費動向(ここでは「二次消費動向」と呼ぶ)が浮かび上がってくる。

リユースセンターのラックに収まっている物品
出所:マーケットエンタープライズ
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 本連載では、このような普段見えることのない二次消費動向に迫り、モノが売れない時代の消費の深層をひも解いていく。初回となる今回は、さまざまな商品カテゴリーに関する全体的な二次消費動向を俯瞰する。

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