ダメ工事(完成時に建て主が求める補修工事)を巡って建て主と住宅会社の溝が深まると、訴訟に発展するケースもある。そんな事態を避けるためにも、ダメ工事の法的な位置付けを理解し、早めの対策を講じることが大切だ。

 実は、2年後に施行が迫っている改正民法では、建て主からクレームがあった場合、素早く適切な補修工事をすることが非常に重要になる。その理由を住宅訴訟の判例に詳しい匠総合法律事務所の秋野卓生弁護士の監修の下、平易に解説する。

 現行民法では、住宅に瑕疵が見つかった場合、建て主は住宅会社に対して「修補(補修)」か「損害賠償請求」のどちらかを選択できる。住宅会社から見ると、建て主がどちらを選択するか予測がつかない。いきなり損害賠償請求を突き付けられることもあり得る〔図1上〕。

〔図1〕追完請求の段階で手を打てば大事には至らない
(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成、イラスト:勝田 登司夫)
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 改正民法では損害賠償請求のハードルが上がる〔図1下〕。

 住宅に「契約不適合」の部分があると、建て主には契約通りとなるように補修や手直しを求める「追完請求権」が発生する。それでも住宅会社が相応の期間内に手直しをしなければ、建て主は「代金減額請求権」(値引きを求める権利)を行使できる。

 建て主の補修要望に対して、住宅会社が「技術的に無理だ」(不能)とか「当社は補修しない」(明確な拒絶)といった対応を取ったとき、建て主は損害賠償を請求できる。

 つまり、改正民法では建て主はまず追完請求権を行使し、拒否された場合に損害賠償を請求するという2段階のステップを踏む。住宅会社は最初の追完請求の段階で解決を図るのが望ましい。ここで解決できれば、損害賠償を請求される事態には至らない。補修による早めの火消しが重要になるゆえんだ。

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