ダメ工事とは、竣工時に建て主から手直しを要望されて実施する補修工事のことだ。文字通り建て主からのダメ出しであり、「このままでは完成と認めない」という意思表示でもある。

 「『浴槽も壁紙も全部取り替えろ』、無理難題で利益吹っ飛ぶ」「信用できない監督に代わって建て主が補修指示」「基礎下の竹の根があだとなり200万円の値引き」のトラブル事例で紹介したとおり、ダメ工事は大きく3つに分類できる〔図1〕。

〔図1〕建て主の指摘が集中する「美観上の問題」
ダメ工事は上記の3つに分類できる。ただし、完成時には建て主の目が仕上げ材に向きがちで、クレームは美観上の問題に集中しやすい(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成)
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 1つ目は、床や壁の傷など美観上の問題だ。住宅実務者が直面するダメ工事のほとんどが、これに該当する。欠陥住宅の相談などを多く受けている胡桃設計(兵庫県伊丹市)の木津田秀雄代表は、「一般にダメ工事の9割以上が美観に関するものではないか。クロスの張り方やシーリング材の打ち方など、建て主の主観に基づく指摘がほとんどだ」と話す。

 2つ目は設計図書との不一致だ。美観上の指摘に比べると数は少ないものの、補修に手間がかかるので要注意だ。例えば、電気コンセントや照明器具の設置場所が設計図書と違うと、壁の仕上げ工事をやり直さなくてはならない。

 3つ目は、建築関連法規に違反したり各種基準を満たしていなかったりするケースだ。建築関連法規には構造上の安全性を規定した条文が多い。竣工時には躯体が仕上げ材に隠れるので、建て主が構造上の欠陥に気づくことはまれだ。しかし、ひとたび躯体の安全性に影響する法令違反などが見つかると、数百万円規模の減額や建て替えを求められかねない。

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