「社長、困ったことになりました」。兵庫県で住宅会社を経営するC社長の下に、工事担当の社員が駆け込んできた。建て主が新築住宅の引き渡しを拒み、全面的な建て替えを要求しているという。

 問題の2階建て木造住宅は、竹林に隣接した敷地内に建てられた。建て主は着工前に「基礎の下に竹の根が潜らないよう注意してほしい」と、営業担当者にくぎを刺していた。

 建て主は道路工事会社の経営者で、竹の根がアスファルト舗装を持ち上げた現場を何度も見たという。営業担当者は、社内の工事担当者に口頭で建て主の要望を伝えた。

 しかし、完成間近になって建て主は竹の根が基礎の下に潜り込んでいるのを発見。住宅会社を責め立てた。「言ったはずだ。竹の根が入らないようにって。どうしてくれるんだ」〔図1

〔図1〕基礎には幅0.7mmのひび割れが発生
(イラスト:勝田 登司夫)
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 工事担当者は、よく確認しなかったことを率直に謝った。「見逃した点はおわびします。でも、基礎の下に潜った根はわずかです。構造安全上の支障はありません」。だが、建て主は納得しない。「何かあったらどうする。誠意を見せろ」と繰り返すばかりだ。

 しばらくして、建て主は新たな事実を突き付けてきた。本人が床下に潜り、コンクリート基礎に幅0.7mmのひび割れを発見〔図2〕。写真を見せ、「竹の根の影響でひび割れが生じた。これからもっとひどいことになる」と主張して住宅の建て替えを要求した。

〔図2〕建て主は瑕疵の可能性を厳しく追及
品確法に基づく国土交通省告示1653号で示されている基礎のひび割れ幅と瑕疵の関係。幅0.5mm以上は「瑕疵が存在する可能性が高い」と記されている(資料:国土交通省の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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