「建て主の要望には際限がなかった。全て言うとおりにしているうちに補修費用は200万円を突破。あっという間に利益が吹き飛んだ」。千葉県に本拠を置く住宅会社で工事部長を務めるA氏は、疲れ果てた表情でそう振り返る。

 問題となったのは、2015年に受注して翌年に完成させた2階建ての木造注文住宅だ。引き渡し前に建て主の立ち会いの下で検査をしたところ、建て主の男性は「キッチンの床に小さな傷がある」「壁紙の継ぎ目に隙間がある」などと指摘。全面的なやり直しを求めた〔図1〕。

〔図1〕際限ないクレームに住宅会社は疲れ果てる
(イラスト:勝田 登司夫)
[画像のクリックで拡大表示]

 A氏は「部分補修できれいに直せる」と答えたが、聞き入れてもらえない。電話口の建て主は高圧的で、要望を早口でまくし立てた。

 圧力に押し切られたA氏は、床面に張ったクッションフロアを全てやり直すことにした〔写真1〕。キッチンや1階と2階の洗面所など、張り替え工事には約15万円の工事費がかかった。

〔写真1〕キッチンの床を全面的に張り替え
床のクッションフロアの張り替え工事。ベニヤの下地に接着剤を塗ってくし目を付け、その上に新しいシートを張り直した
[画像のクリックで拡大表示]

 壁紙も全部張り替えた。今度は継ぎ目に隙間ができないように、慎重に張り合わせた。これには約25万円かかった。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら