基礎工事は専門工事会社に任せきりということをしていないだろうか。基礎は改修が難しい部位だ。欠陥が発覚した場合、建て替えを請求されかねない。確認するポイントを押さえておこう。(日経ホームビルダー)

 「埋め込まれているアンカーボルトなど、基礎に関する欠陥の修理までするとなると難しい。直せるところだけ直すという対応でご了承いただきたい」——。工務店からのこのような欠陥修理の提案に、建て主は激怒した。

 それもそのはず、築5年を過ぎたこの住宅では構造金物や防火の不備など複数の欠陥が発覚していた。なかでも、基礎部分の配筋不足やアンカーボルトの不備は致命的。例えば、アンカーボルトは品質や性能が確認できる金物が使用されていなかった〔写真1〕。工事中に撮影された写真で欠陥が発覚した。

〔写真1〕欠陥発覚のきっかけは、建て主が建築中に撮影した写真。最近は銀色系のメッキ処理もあるが、当時は金色系の金物が主流だったため、アンカーボルトの種類の違いに気付いた。工務店に確認したところ、品質が疑わしい金物を使用していたことが判明した。おそらく外構などで使うアンカーボルトが使われていた(写真:カノム)
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 放置すれば、建物の安全に影響するにもかかわらず、直せるところだけで済ませようとする工務店。この態度に対して建て主は納得がいかず、訴訟を起こした。

 建て替えるとなると、費用はおよそ2500万円の見積もりだ。全てを修理するとしても、基礎などの工事が難しい箇所もあるため、費用はさらに膨れ上がる可能性がある。欠陥を防げなかったことが、後々大きな痛手となって返ってきた事例だ。