EV向け2次電池の開発競争や、トヨタ自動車の全固体電池など、電池の開発競争が注目を集めている。多くの新方式も模索される中、三洋化成工業(以下、三洋化成)と日産自動車(以下、日産)が研究に取り組む「全樹脂電池」は、その名の通りすべてが樹脂で構成されるユニークな電池である(関連記事1関連記事2関連記事3)。

 全樹脂電池とはどのような電池なのか。一般的な2次電池とは何が違うのか。全樹脂電池とは「集電体・活物質・セパレーターのすべてが樹脂で構成された電池」である。その特徴を把握するため、まず一般的な2次電池の構造を示す(図1)。

図1 一般的な2次電池の構造と日本における関連特許
(図:筆者)
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 一般的な2次電池は、集電体・活物質・電解質・セパレーターで構成される。特許調査では、要素別に「ポリマー電解質」「樹脂製電極」のような「樹脂製であること」を示唆する表現を抽出した。ポリマー(樹脂)電解質は数千件の特許出願があり、樹脂部品化が広く検討されている状況がうかがえる。これに対して樹脂集電体や樹脂製正極・樹脂製負極の特許出願は多くて数百件レベルであり、電解質と比べて技術開発は進んでいない。

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