工場(fabrication facility)を持たずに製造業を営む「ファブレス」。WAKAZEは、そんなファブレスで日本酒を開発・販売するベンチャー企業だ。同社代表取締役社長の稲川琢磨氏は、「当社の業務は日本酒のレシピ開発がメイン」と話す。

東京・三軒茶屋で2018年6月に開業した直営バーの前に立つWAKAZE代表取締役社長の稲川琢磨氏。
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 創立は2016年1月。東京を本拠地として、製品である日本酒の酒質の設計や、パッケージデザインなどのブランドのコントロールを手掛ける。日本酒の醸造は山形県鶴岡市と酒田市、千葉県いすみ市にそれぞれある老舗の酒蔵に委託している。

 ベンチャー企業は販売チャネルの確保が課題の1つだが、インターネット販売以外に、同社の酒は2019年2月時点では取扱店舗が国内で約130店舗ある。海外にも販路を広げ、中国やフランス、シンガポールの百貨店など5店舗で販売されている。ファブレスという酒造業界では珍しいスタイルながら、着実に実績を伸ばしている。

 ユニークなのは事業モデルだけではない。販売する日本酒も、既成の日本酒との差異化を図った独自の商品をラインアップしている。酒米の他にゆずやレモン、しょうがなどを副材料として醸造したり、ワイン樽で熟成したりするなど独自製法を採用。「日本酒が合うのは和食」というイメージを払拭し、「洋食とも合う」日本酒の製造を目指す。

 定番の6製品はいずれも500ミリリットル瓶1本で3000円台。日本酒は一般に4号瓶(720mL)で2000円を超えると高価なイメージがあるが、価格帯でも既存の市場に縛られない独自路線を取る。

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