2022年の建設業における死亡災害者数は、17年の水準の15%減で250人以下を目指す――。こうした目標に向けて、VR(仮想現実)を使った安全教育のほかにも、注目されている動きが複数ある。

 1つ目が、建機と人との「共存」だ。

 ロボットの台頭が早かった製造業の現場では、機械と人の動線をなるべく分け、制御技術なども発展させて人の安全を確保してきた。

 一方、建機を隔離しづらい工事現場では長らく、人の注意で安全を担保するしか方法がなかった。ただし近年、IoT(モノのインターネット)やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)などの発展によって、ロボットや建機と人とを隔離するのではなく、現場ではもはや「共存」を考える時代になっている。

 既に、共存体制を意図したような開発は進んでいる。例えば、人の接近に伴って建機の動きを停止したり、そもそも危険な範囲での作業を自動で規制したりするシステムだ。

 例えば、アクティオ(東京都中央区)が開発した、赤外線センサー搭載のヘルメットを活用した安全管理はその1つ。建機から数メートル以内に近づくと警報音が鳴り、建機が緊急停止する。戸田建設などが既に建設現場で導入している。
(関連記事:人とぶつからない建機、戸田建設が採用拡大

 大成建設もアクティオと共同で、バックホーによる接触事故を防止するために旋回を規制するシステムを開発した。東京都水道局が発注した開削部の配管工事で、同システムを導入した実績がある。

 都市部の狭小な現場では、道路規制帯からアームやバケットの一部がはみ出す危険性がある。開発したシステムは、現場で簡易に規制区域や減速区域を決められる。

建機の旋回を規制する範囲のイメージ。規制範囲の設定は簡単で、初めてのオペレーターでも15分程度で使いこなせる(資料:大成建設)
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国交省もマッチングで意欲

 国土交通省も新技術の確立を進める意向だ。「i-Construciton推進コンソーシアム」の技術開発・導入ワーキンググループは17年10月、現場の課題と解決する技術を組み合わせるマッチングの1つに、「建設現場の事故ゼロを目指す新技術」の現場試行を決めた。

 スマートフォンやIoTの機器を利用して、GPS(全地球測位システム)で作業員や建機の動きをモニタリング。作業員が建機に近付くとスマートフォンで警告するとともに、事務所にも伝える。作業員の動線を調べていつもと変わりがあれば、職長に連絡したり、脈拍を調べたりすることもできそうだ。

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