民間事業者が開発する沖縄県の駐車場造成工事で、2017年8月に起こった石積み擁壁の崩壊事故。3人が死傷し、また事故現場の異様な光景も相まって全国紙が報道して注目された。

事故の翌日に撮影。事故後はブルーシートをかぶせただけだったが17年10月の台風でさらに崩壊。一部の石は普天間川に落下した(写真:カストロ・ホワン・ホセ琉球大学教授)
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 現場は普天間川沿いの民有地だ。盛り土の周囲に石材を高さ7mほど積んで擁壁を構築していたところ、何かの拍子に積み上げた石が崩れて3人の作業員が巻き込まれた。そのうち石の下敷きになった1人が死亡した。

事故現場の平面図。取材を基に日経コンストラクションが作成
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 沖縄県警によると、崩壊に至った原因はまだ不明だ。建築構造が専門の琉球大学工学部のカストロ・ホワン・ホセ教授は事故の翌日に現場を確認したうえで、「擁壁には勾配を付けておらず、ただ石を積んだだけだ。崩れた原因はささいなことかもしれない」と工事に潜んでいた危険性を指摘し、付近の自動車交通の振動が崩壊に影響した可能性を調べている。

 擁壁の設計には様々な基準がある。例えば、宅地造成等規制法施行令では石積み擁壁の高さを5m以下と定めている。それもモルタルなどで隙間を充填した「練り積み」が条件だ。

 今回の工事は同法の対象ではないものの、高さが超過しているうえに、事故が起こった時点では充填材のない「空積み」だった。

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