死亡事故が増えている。象徴するのが墜落事故だ。2017年夏に立て続けに5人が死亡したことを受け、国土交通省は同年9月、建設業界に異例の注意喚起をした。これ以上事故を増やさないよう、踏みとどまれるか。

 ここ数年、右肩下がりだった建設業における労働災害での年間死亡者数。2017年は3年ぶりに増加に転じると言われている。厚生労働省が公表した「労働災害発生状況」の速報値によると、1月~9月の死亡者数は16年の同時期に比べて10%増加した。

建設業の労働災害による死亡者数。10月~12月の確定値には1月~9月の速報値と年間確定値の差分を含む。厚生労働省の「労働災害発生状況」を基に日経コンストラクションが作成
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 厚労省が12年に作成した第12次労働災害防止計画では、5年の間に死亡者数を20%減らして293人以下まで抑えることを目標としている。16年の時点で達成はほぼ問題ないとみられていたが、一転して黄信号がともる。

 17年の死亡事故を型別に見ると、最も多いのが墜落・転落だ。90人と全体の4割を占める。次いで交通事故が28人、挟まれ・巻き込まれが21人、崩壊・倒壊が18人と続く。

 墜落・転落が多いのは例年通りだが、夏場に立て続けに起こった死亡事故がメディアに大きく取り上げられ、世間の注目を集めた。

 まず17年8月には、大成建設が施工中の東京・丸の内のビル建設現場で3人が墜落して死亡。9月には新名神高速道路の橋梁の吊り足場から1人が墜落した。さらに新名神の事故の翌日には、東海北陸自動車道でも仮設備から作業員が落ちて亡くなった。

 これら墜落事故の頻発を受け、国土交通省は日本建設業連合会など建設業関係の各団体の代表者を一堂に集めて、土地・建設産業局と道路局の局長がそれぞれ安全対策の徹底を強く求めた。事態は深刻だ。

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