単なる省エネにとどまらず、自然を生かした気持ち良い執務空間をいかに生み出していくか。2017年、福井市に完成した「NICCA イノベーションセンター」の特徴と工夫について、設計者の小堀哲夫氏がひも解く。

小堀哲夫建築設計事務所代表 小堀 哲夫氏(写真:都築 雅人)
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光、水、風を取り入れた空間で創造性発揮を促す

 従来、建築の省エネルギー化といえばエンジニアリングが中心で、設備や数値が先行していた。これからの省エネ建築は、人間性や創造性、感性を中心に据えてつくっていくべきだ。まず居心地の良さとは何かを考えて、これを具体的な空間や省エネの技術に置き換えていく。その際には、環境シミュレーションの活用が欠かせない。

 NICCA イノベーションセンターでは、光と風と水を取り入れた設計を試みた。目指したのは、「省エネ」と同時に「実践共同体『コモン』と地域再生」を実現することだ〔写真1〕。

〔写真1〕コモンは自然光の場に
2017年福井市に完成したNICCA イノベーションセンター(日経アーキテクチュア2017年12月14日号に掲載)の執務空間には、コモンと呼ぶ吹き抜け空間を3カ所に設け、研究者間の積極的なコミュニケーションを促している。設備と構造はアラップが担当(写真:吉田 誠)
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 今日、会社という共同体が内部に閉じた状態からは新しいアイデアが生まれない。硬直化している現状をいかに打破し、社員のポテンシャルを発揮させるかが求められた。

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