デジタル化を推進する際のボトルネックになるのが、老朽化した情報システム。つまりレガシーシステムである。今、企業はレガシーシステムの解体を迫られている。レガシーシステムの作り直し方や延命方法、クラウド移行などのノウハウを徹底解説する。

 ここにきて、レガシーシステムの「解体」に取り組むユーザーが増えている。デジタル化の推進圧力により、これまでユーザー企業の業務を支えてきたレガシーなシステムが足かせとなるケースが顕在化してきたからだ。

 レガシーを切り崩してデジタル化を進め、ビジネスにうまく活用していくためには、レガシーシステムに手を入れることで価値が出る領域を見極めるのが第一歩だ。移行後の保守性を維持するためには、テスト資産の継承も欠かせない。

 リクルートテクノロジーズは、社内120サイトのクラウド移行を開始した。事業部門が個別最適で構築してきたシステムを、IT部門主導でAWS(Amazon Web Services)に巻き取る。それにより、ハードやソフトの保守切れ、保守人材の不足といったレガシーシステムの課題を乗り越える考えだ。

リクルートテクノロジーズがレガシーからの移行を進める理由
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 プロジェクトを率いるリクルートテクノロジーズ ITエンジニアリング本部 サイトリライアビリティエンジニアリング部 技術フェローの高岡将氏は、「120サイトが全てなくなるまで活動を続け、IT人材をクラウドやエンタープライズ領域にシフトしたい」と意気込む。

 レガシー解体といっても、システムを捨て去るわけではなく、作り変えたり、アプリやデータの連携を図る。解体を進める理由の1つはデジタル化の推進圧力だ。デジタル化を推進するうえで、レガシーシステムが抱えるロジックやデータなどの資産が流用しづらいといった問題が顕在化してきた。

 レガシーシステムの保守費が高止まりしているのも、デジタル化の阻害要因。アクセンチュア テクノロジー コンサルティング本部 テクノロジーアーキテクチャグループ統括の田畑紀和 マネジング・ディレクターは「デジタル化を進めるうえでレガシーは足かせ。維持費を下げてお金を捻出し、デジタル投資やSoE(System of Engagement)分野に振り向けるべき」と指摘する。

 レガシー解体からデジタル推進へのニーズを受けて、ベンダーがユーザーを支援する動きが出てきた。富士通は「トランスフォーメーションサービス」を開発中だ。SoR(System of Record)が中心の基幹システムを段階的にクラウドネイティブなアーキテクチャーに移行するサービスで、「2018年に顧客資産を使ってトライアルを続け、2019年に提供する計画だ」(富士通 グローバルサービスインテグレーション部門の中村記章 エグゼクティブアーキテクト)。

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