中国メーカーに部品や製品の製造を依頼し、不良品などのトラブルを発生させてしまう日本の設計者は、皆さん同じことを言います。「普通~のハズなのに」「~と言ったハズなのに」「~のハズじゃなかった」と。しかしトラブルの本当の原因は依頼先の中国メーカーではなく、中国に無理解な日本人設計者にあることが私の経験では少なくありません。

図1 海外進出時には「ヒト」「コトバ」「モノ」の理解が不可欠

 実は私、前職のソニーに在籍中、29年間にわたってプロジェクターやモニター、プリンターのメカ設計をしてきました。そのうちの最後の7年間は、4年半の上海駐在を含めて中国に関わる仕事でした。主な仕事はメカ分野における、日本の設計者と中国の部品メーカーや製品の組み立て工場との橋渡し、そしてそこで発生する不良品などのトラブルへの対応でした。

 ところで読者の皆さんは海外旅行で初めての国へ行くときは、ガイドブックなどを買って用意することが多いはずです。そうしたガイドブックは巻頭にその国の人口、人種、宗教などが載っています。つまり「ヒト」に関する情報です。巻末にはたいてい「こんにちは」や「いくらですか」などの会話例、つまり「コトバ」に関する情報があります。そしてメインの中盤には観光地、食事、お土産などの「モノ」に関する情報が書いてあります。

 つまり初めて行く国を知るためには、これら「ヒト」「コトバ」「モノ」を理解することが基本なのです。これは、ものづくりで海外に進出する際も同様です(図1)。では、初めて中国に進出するあなたにとって、これら「ヒト」「コトバ」「モノ」は何に相当すると考えるべきでしょうか。

 私が中国メーカーと関わった7年間の経験から、それは次のようなことが当てはまると考えます。「ヒト」とは中国人の国民性や仕事の仕方、「コトバ」とは 確実な会話と情報の出し方、「モノ」とは 製造現場の確認方法です。これら3つをしっかり理解できていないと、私たち日本の設計者にとって、中国でのものづくりはとても大変なものになってしまうのです。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら