顧客訪問の移動時間の合間を縫って、予定されたリモート会議の開始時刻に間に合うように店に駆け込んだ。ヘッドマウントディスプレー(HMD)をかぶって話をしても他人に迷惑をかけない場所として勧められたカラオケボックスである。ドリンクを頼んでHMDを装着。ユーザー名とパスワードを入れてバーチャル会議室にログインすると、目に飛び込んできたのは六本木のビル街の眺めが美しいローランド・ベルガー東京オフィスの会議室だった(図1)。

図1:VR会議室の様子
参加者全員で大画面に映し出された画像や映像を共有している。投映しているのは後述する駿河精機のサイバーフィジカルシステム(CPS)ラボのVRバージョン。
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 製造業におけるVR技術の活用に注目が集まっている。教育や研修、設計におけるシミュレーション、モックアップのプロトタイピングなど、その用途は広い。こうした動向と将来について意見交換をする趣旨で、「和ノベーション」の仲間企業であるSynamon(東京・品川)の武樋恒社長に話を聞く機会を得た。せっかくなので、そのインタビューを同社のVRコラボレーションツール「NEUTRANS BIZ」上で行ったという次第だ。

*和ノベーションは、筆者らが提唱するコンセプトで、日本の企業や研究組織が現場で培ってきた優れた技術・技能・知見を組み合わせ、すり合わせ型で新しい事業や製品・サービスを生み出す日本流のイノベーションを指す。

 VRシステムの入門者向けの紹介、Synamonや武樋社長の紹介は関連記事(下記参照)に任せるとして、本稿では製造業でVRをどのように活用できるか、このVR会議で実際に議論した内容を紹介する。

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