「来年の新入社員は19名。230人の会社に200人が応募してきたので求人倍率は10倍。優秀な順に選んだら新入社員15人は女性となった」。キャステム(本社広島県福山市)社長の戸田拓夫氏は、自社の特徴をこんな切り口で語り始めた(図1)。

図1 キャステム本社の正門
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 キャステムは精密鋳造の金属部品メーカーだ。ロストワックスやメタルインジェクション(MIM)といった、鋳造の中でも高度な技術に根差したものづくりに特化し、環境変化の激しい業界の荒波の中で独自の地位を確立。国内にとどまらず、東南アジアや米国、南米など、グローバル展開を果たしてきた。その製品は産業用機器、医療機器、半導体装置など、幅広い分野で使われている。キャステムを象徴するMIM技術は、樹脂成形技術と焼結技術の複合技術であり(日経xTECH関連記事)、本連載でも取り上げた製造業での価値創造を「複合化」によって実践している例と言ってよいだろう(本連載関連記事)。

 しかし、最先端の素形材加工技術を有しているだけでは求人倍率が10倍になるとは考えにくい。キャステムのどこにその圧倒的な魅力があるのか――。

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