低汚染型塗料や光触媒塗料は万能ではない。建物の美観を保つには、水切りや庇、笠木などによって雨水を適切に処理することが重要だ。こうした雨水対策とデザインとを両立させた事例を紹介する。

 「汚れが過度に集中する部位においては、防汚効果を十分発揮できません」。TOTOの打ち放しコンクリート用光触媒塗料のパンフレットに記されている注意書きだ。2ページを割いて、水切りの設置推奨箇所などを図入りで説明している〔図1〕。

〔図1〕汚れをためない一工夫
水切り・笠木で水をコントロール
写真はコンクリートの擁壁の天端に笠木を設けた例。上部に積もったちりが雨で壁面を流下するのを防ぐ。右の図はTOTOの光触媒塗料の説明資料からの引用。水切りの設置を具体的に推奨している(写真:日経アーキテクチュア、資料:TOTO)
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 この注意書きを引くまでもなく、水対策は建築設計の基本だ。パラペットの上部などにたまったほこりが雨で流れ落ちる際に壁面を伝うと、雨筋汚れの原因となる。

 低汚染型塗料や光触媒塗料でも全く汚れが付かないわけではない。1カ所に汚れが集中すると目に付きやすくなったり、光触媒の場合でも分解の許容量を超えてしまったりする。

 デザインを優先して適切な水切りの設置を怠り、仕上げ材の性能だけに頼るのはトラブルのもと。まずは水の流れのコントロールに力点を置き、塗料の活用はあくまで補助的な位置付けと心得るべきだ。

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