正林 真之 氏=正林国際特許商標事務所 所長・弁理士。国際パテント・マネタイザー
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 「IPランドスケープ」は、さまざまな経営課題に対する解決策を提示してくれます。今回は、IPランドスケープを使って将来の新製品を予測する事例を紹介しましょう。

 IPランドスケープを使って予測を行うには、次の3つの目が必要です。「鳥の目」、「虫の目」、「魚の目」です。すなわち、鳥の目で業界動向を俯瞰し、必要に応じて虫の目で特許公報を読み込むことにより技術を理解します。さらに魚の目を使って流れ(トレンド)を読んで、新製品を予測するのです。

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内視鏡の業界を俯瞰する

 まず鳥の目で内視鏡の業界を俯瞰していこう。内視鏡には大きく3つのタイプがある。[1]軟性内視鏡、[2]カプセル内視鏡、[3]硬性内視鏡である。これらのうち、軟性内視鏡はオリンパスが圧倒的に高いシェアを持ち、これに富士フイルムホールディングス(以下、富士フイルム)が続く。ところが、硬性内視鏡では、日本企業で最もシェアの高いオリンパスでも25%のシェアしかない。オリンパスとしては、硬性内視鏡の市場においてもシェア拡大を狙いたいところである。

「Mizuho Industry Focus Vol.111. 2012 No.8」などに基づいて作成。
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 2006年以降に出願された内視鏡関連の特許出願件数の上位3社は、オリンパス、富士フフイルム、HOYAであり、第4位以降に大きく差をつけている。オリンパスは、内視鏡の世界市場で高いシェアであることに相応して特許出願件数も多い。

パテントマップEXZを使用。
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 次に、上位3社の内視鏡タイプ別の特許出願件数を見ると、3社とも軟性内視鏡への特許出願が多いことが分かる。だが、オリンパスはカプセル内視鏡や硬性内視鏡にも特許出願が多い様子がうかがわれる。

 今回は硬性内視鏡の分野におけるオリンパスの動向に着目してみたい。オリンパスは、4Kカメラヘッドを搭載した外科手術用の硬性内視鏡システムをソニーと共同開発し、2015年10月から販売を開始した。この新製品の上市の流れをIPランドスケープで予測できるかどうか検討してみよう。

パテントマップEXZを使用。
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