正林 真之 氏=正林国際特許商標事務所 所長・弁理士。国際パテント・マネタイザー

 では、実際にIPランドスケープをどう活用するのか?──。皆さんが知りたいところはきっとこの辺りだと思います。今回は、LPWA(Low Power Wide Area)の事業展開を考える企業の事前調査を想定した事例を紹介します。

[1]LPWAとは
 LPWAとは、バッテリーの低使用と、広範囲での通信を両立させる新しい通信コンセプトの1つだ。次世代通信として脚光を浴びるのは、2020年にも商業利用が始まると言われる超高速で大容量通信を可能とする5Gである。一方で、必ずしも高速で大量のデータを送る必要のない通信もある。例えば、インフラのモニタリングなどは、必ずしも高速で通信する必要はなく、また1回当たりに送信するデータ量は少ない。一方で要求される特徴は、以下の点である(表1)。

表1●LPWAに要求される特徴。総務省「第4次産業革命における産業構造分析とIoT
AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究(平成29年)」を基に正林事務所が作成。
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 IoT(Internet of Things)の進展により、大手企業や大学・研究機構が目指してきた高速化、大容量化の対極にあるこうした技術が重要となり、昨今脚光を浴びてきている。

[2]LPWAに係る特許の出願動向
 LPWAに係る国際的な特許の出願動向をマップにしたものが図1図2である。

図1●LPWAに係る特許出願件数の推移
(出所:正林国際特許商標事務所)
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図2●LPWAに係る企業別特許出願件数の推移
(出所:正林国際特許商標事務所)
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 この分析から、LPWAは、[1]2013年から本格化した新しい分野、[2]現状では競合先が超大手企業ではない、[3]出願件数も現時点では比較的少ない、ということが分かる(表2)。

表2●LPWAに係るIPランドスケープ分析
(出所:正林事務所)
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