正林 真之 氏=正林国際特許商標事務所 所長・弁理士。国際パテント・マネタイザー

 今回も前回に引き続き、「IPランドスケープ」とはどのようなものかについて、事例を紹介しながら解説します。

[1]IPランドスケープの活用事例

 ここでは「技術の特徴を生かした有望用途の探索」に関する事例を紹介する。本事例において想定するニーズ(調査・解析の目的)は以下の通りである。

 繊維系化学メーカー(A社)が開発したナノテク機能素材につき、その機能を生かした有望用途開発を対象とする。同素材の特徴は、カーボンナノチューブを均質に微細分散できる点にあり、カーボンナノチューブの導電性付与機能の高さを生かせる有望市場(商材)を特定したい。

 これに関しては、次の4つのステップで探索を進める。

ステップ1:技術の特徴候補に対応した母集団を作成

ステップ2:ベンチマーク社とする同業の動向を調査

ステップ3:ベンチマーク社が取り組んでいる商材を探索

ステップ4:商材の市場性、自社技術で対抗可能かどうかの観点を検討

<ステップ1>

①まず、A社開発素材が持つ特徴(特徴分野)を特許出願件数ランキングで特定する。これにより、「カーボンナノチューブの微細分散」を特徴候補とする。

②特徴候補に限定したスマートな母集団を作成する。

<PATENTMAP EXZ使用>
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<ステップ2>

①A社(+パートナーB大学)の位置付けを特許出願件数面から確認すると、母集団は妥当と判断される。件数トップ3に入っており、かつ同業の東レをベンチマーク社(重要競合)として特定する。

②東レの傾注分野/開発時期確認(特許出願分野/出願時期面)を確認すると、同社は2006年からこの分野につき継続的に出願しており、上市をもくろんでいる様子がうかがえる。

<PATENTMAP EXZ使用>
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