1994年開館の宮城県気仙沼市、リアス・アーク美術館。早稲田大学の石山修武研究室が設計を手掛け、1995年には日本建築学会賞作品賞を受賞している。東日本大震災によって被災。そこからの復旧の過程に立ち会ってきた副館長・学芸係長、また美術家でもある山内宏泰氏に運営状況や、ツーリズムの対象となる可能性などを聞いた──。

リアス・アーク美術館を南側より見る(撮影:日経 xTECH)
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 東日本大震災の当時は館内にいたのですが、倒壊するかと思うほどの揺れでした。そのため、引っ張られた鉄板が伸びてしまい、使用に問題はないと判断されたものの全館に歪みが生じたままです。

 メーンの展示室では、エキスパンドメタルを使った天井パネルが脱落しました。その被害が最小限で済んだのは、より以前の別の地震の後に点検を担当した工事会社から警告を受け、留め方を補強したからだと考えています。それがなければ、展示物に甚大な被害があったはずです。そもそも意匠のパネルに過ぎず、石山氏も構わないと言うので修繕時に全て撤去しました。

2階のアークギャラリー。外周側を巡るように、エキスパンドメタルを使った天井パネルが設置されていた。修繕工事の際に全て撤去している(撮影:日経 xTECH)
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2階のアークギャラリーを3階から見下ろす(撮影:日経 xTECH)
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 また、震災前はそんなことはなかったのですが、屋外のアプローチのブリッジや内部の鉄板製の渡り廊下などを複数人が歩くと振動が増幅し、跳ね上げられるような振幅になる。そのままにはしておけないので、一部に関しては支柱を追加して押さえ込んでいます。

リアス・アーク美術館を西側より見る。左手が屋外のアプローチのブリッジで、支柱を追加している(撮影:日経 xTECH)
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右手が西側のファサード、左手がアプローチのブリッジ(撮影:日経 xTECH)
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 修繕費は約4000万円。2012年7月に一部再開し、2013年4月に全面再開しました。震災前に年間5万人の来館者の目標を課せられていた施設なのですが、一部以外は入館を無料とした再開初年度は地域住民の利用を含めて7万人。その後も5万人前後が訪れています。ベースとなる地域住民の利用が3万5000人で、それ以外が国内外の他の地域からの来館です。

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