決壊した小田川左岸の堤防の応急復旧状況。7月21日撮影(写真:国土交通省)
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 国土交通省は、7月の西日本豪雨で広範囲にわたる浸水被害が発生した小田川(岡山県)と肱川(愛媛県)で、それぞれ堤防かさ上げや河道掘削などの緊急治水対策を実施する。どちらも約5年間で集中的に進める河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)に位置付け、年度内に着手する。事業費は計約790億円。国交省が9月7日に発表した。

■真備緊急治水対策
(資料:国土交通省)
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■緊急治水対策で加速する小田川の付け替え事業
(資料:国土交通省)
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 岡山県倉敷市内を流れる高梁川水系小田川と支流の末政川、高馬川、真谷川には、岡山県と連携して約500億円の「真備緊急治水対策」を実施する。ポイントは、高梁川と小田川の水位を下げるために、小田川の流れを変えて高梁川との合流点を約4.6km下流に移す付け替え事業だ。もともと28年度までに終える計画で事業を予定していたが、情報化施工を活用して工事のスピードアップを図り、事業期間を5年短縮する。

バックウオーターの再発防ぐ

 小田川の氾濫は、より水位の高い本流の高梁川からの逆流で水位が上昇する「バックウオーター現象」がきっかけになった。小田川の水位上昇は堤防の決壊につながっただけでなく、小田川に流れ込む支流にも同様の現象を生じさせた。

 地元の倉敷市は水害の再発防止のため、両河川の水位を下げる小田川付け替えを前倒しすることを重視。伊東香織市長が9月5日に東京都内で安倍内閣の菅官房長官らに面会して、事業期間の短縮を要望していた。

 堤防の決壊については、国交省中国地方整備局が7月から8月にかけて開いた高梁川水系小田川堤防調査委員会(委員長:前野詩朗・岡山大学大学院教授)が、堤防の特に低い箇所で生じた越水を主な原因と指摘している。これを受け、緊急治水対策では堤防のかさ上げや河道掘削なども進める。

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