西日本豪雨で愛媛県の肱川上流にある鹿野川ダムが7月7日に緊急放流を開始する前、国土交通省のダム管理所が放流後の浸水面積などを予測していたのに、市に伝えていなかったことが分かった。

7月7日の愛媛県大洲市の浸水地域
7月7日の豪雨で、大洲市の約887haが浸水した。過去の最大の浸水範囲と比べて約1.6倍の面積だった(資料:国土交通省)
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 ダム管理所は7月7日午前6時30分、1時間ほど後に緊急放流を開始すると午前10時30分に肱川の水位が最高の8.15mに達し、大洲市内で最大1140haにわたり1777棟が浸水すると予測していた。

 しかし、緊急放流前の午前6時50分にホットライン(直通電話)で市と連絡を取った際、予定時刻や放流量は教えていたが、被害予測は伝えていなかった。市は、前例のない大きな放流量に被害のイメージが湧かず、住民への避難指示発令の判断を先送りにした。市が避難指示を出したのは、緊急放流のわずか5分前の7時30分だった。

 大洲市では、主に肱川の水位を基に避難指示などの発令を判断している。今回、市が発令したきっかけは、肱川の水位が最高で8.15mに達するとの予測だった。

 市は水位予測の情報を、ダム管理所ではなく国交省大洲河川国道事務所から午前7時7分にメールで受け取った。もし、市が6時50分のホットラインで水位予測を聞いていれば、避難指示発令をより早く判断できたと考えられる。

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